このデータベースは現在開発段階です。内容は随時更新・修正されます。

関連情報

関連領域

    関連検査

      最終更新: 2025-04-06

      運動性失語(Broca失語)

      説明

      Broca失語は、非流暢な発話を特徴とする失語症の一型です。発話は努力性で、文法的な誤りを伴い(失文法)、テレグラフ調になります。単語レベルの理解は比較的保たれますが、複雑な文章の理解は障害されます。復唱や呼称も障害されますが、語頭音ヒントが有効な場合があります。

      病巣

      • 下前頭回弁蓋部(Broca野)
      • 下前頭回三角部
      • 島皮質

      検査

      1. WAB失語症検査

        • 自発話の評価(非流暢性、文法的誤りの評価)
        • 聴覚的理解の評価
        • 復唱能力の評価
        • 呼称能力の評価
      2. SLTA(標準失語症検査)

        • 発話の流暢性評価
        • 文法能力の評価
        • 言語理解力の評価

      鑑別診断

      1. 発語失行

        • 構音の歪みが主体
        • 言語理解は保たれる
      2. 超皮質性運動失語

        • 復唱は保たれる
        • その他の症状はBroca失語に類似

      治療アプローチ

      1. 言語療法

        • 発話訓練
        • 文法訓練
        • 構音訓練
      2. コミュニケーション支援

        • 代替的コミュニケーション手段の導入
        • 家族指導

      予後

      • 発症後の経過とともに改善が期待できる
      • 特に発話の流暢性に関して改善がみられやすい
      • 文法的な誤りは残存しやすい

      参考文献

      1. Geschwind, N. (1970). The organization of language and the brain. Science, 170(3961), 940-944.
      2. 大槻美佳. (2014). 失語症の神経基盤. 高次脳機能研究, 34(2), 156-166.